音楽史においてバロック時代は、1600~1750年の大バッハが亡くなった年までです。
一口に、バロック時代といっても、前期、中期、後期では、完成度が違います。
ルネサンスに近い前期は、ほとんど楽譜がありませんし、
現代人には、理解不明な部分も多いと思います。
鍵盤楽器では演奏できないものなど、不完全です。
ですから、バロックといっても、紹介できるのは、ほとんど後期の作品になります。
バロック時代の音楽の特長は、「オペラの始まり」といわれています。
メロディーと伴奏の区切りがはっきりして、人の感情が音楽で表現されるようになったこと。
これは、今では当然の事ですが、当時としては、天と地がひっくり返るくらいの出来事でした。
ではなぜ「オペラ」なのか?
当時の音楽は主に教会のミサ曲でしたが、贅沢な王と貴族たちの欲求を満たすため、
宮廷音楽家は、常に新しいことをしなければ、なりません。
いつしか、音楽は神のためではなく、人々の欲求を満たすために進化していきます。
そこで、頑張って地位を築いたのがヘンデルです。
これが、派手好きな王侯諸国(スペイン、フランス、イタリア、オーストリア)のカトリックから発達したバロック音楽の傾向です。
音楽は、絶対王政権力を誇示する手段としてどんどん派手になっていったのです。
一方、ヘンデルと同じ年に生まれたバッハは、ドイツ生まれ。こちらは、地味なプロテスタントの国です。
バッハは生涯この地が出ることもなく、主に教会のオルガン奏者として、神にささげる曲を書き続けます。
人にこびることなく風評は気にしません。
この様な対照的な、二人の生き方は、よく比較されます。
まるで二人は、「白い巨塔」の財前と里見のようです。
ヘンデルは、野心家で、地位を築くために、努力を惜しみません。
一方、研究一筋の里見。ひたすら良い教会音楽を作ることに没頭します。
人が退屈に思うとか、そんなことは全く気にしません。
その結果、メンデルスゾーンが、取り上げるまで、埋もれてしまう事になるのですが・・・
バロック時代のもう一つの特長は、楽器の発達です。
バイオリンは、ストラディヴァリなど、すでにこのころに完成。
今でも名器として残っています。
フルート・オーボエ・クラリネットなどの木管楽器も、出来、サンサンブルの基盤ができ上がり、
楽曲の中での強弱といった表現がされるようになりました。
バロックとは、ポルトガル語で、「いびつな真珠」という言葉だそうですが、
これまでの平面的な音楽に比べて、感情表現や音の起伏を凸凹した感じから言われるようになったのかもしれません。
バロック時代の有名な音楽家は、バッハ、ヘンデル、ビバルディ、スカルラッティ、ラモー、テレマンなどです。
3人の関係性
ハイドン、モーツアルト、ベートーベン。
古典派の音楽で、欠かせない重要人物です。
彼らは、お互いにどんな感じで、見ていたのでしょうか。
まず、年齢関係です。
ハイドンは、1732年生まれ、モーツアルトは、1756年、ベートーベンは、1770年ですから、
ハイドンから見れば、二人は子供のような存在です。
モーツアルトは、ハイドンの手法を学び、「ハイドンセット」を彼に献呈しています。
6曲あります。
1785年1月15日と2月12日に、モーツァルトはハイドンを自宅に招き、自らヴィオラを弾いて、披露しています。
モーツァルトは『ハイドン・セット』の出版時には、ハイドンへの深い敬愛の念を込めた献辞の中で、
24歳年上のハイドンに「わが最愛の友」と呼びかけ、
この曲集を「長く困難な苦労の果実」と述べ、またこれらの曲を自らの息子にたとえて、
ハイドンの「庇護と指導のもとにあらんことを」との言葉を贈っています。
ハイドンとベートーベンは、子弟関係です。
38歳も離れているのですから、ハイドンから見れば、子供です。
ベートーベンのーは、1792年7月、ロンドンからウィーンに戻る途中でボンに立ち寄ったハイドンにその才能を認めら、
弟子入りを許されています。
モーツァルトとベートーベンの関係は、残念。
ベートーベンは、モーツァルトにあこがれて、合いに行くのですが、
母危篤の知らせを受け、ボンに戻っていきました。
1787年、16歳のときです。このとは、モーツアルトは、30歳。
5年後に亡くなっています。
バロック時代の音楽をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
lヤマハ | バロック音楽 - 音楽史について学ぶ
「バロック音楽」の特徴を、誰でもわかるように解説 | 音楽力の泉
バロック時代の音楽ってどんな特徴があるの? | Atelier Eren | ヴァイオリン製作・音楽ブログ
■管弦楽組曲 BWV.1068 H.545第三番「ガボット」バッハ
■調子のよい鍛冶屋 HWV.430 ヘンデル
■見よ、勇者は帰る HWV,63 ヘンデル
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