下関ピアノ教室レトルピアノ

近現代の音楽

近代音楽・現代音楽

西洋音楽史において、近代音楽は、おおよそ20世紀初頭(あるいは19世紀末)頃から第二次世界大戦の終わり頃(1945年)までの音楽を指し、
それ以降の音楽は現代音楽です。
近代音楽は、1950年までとする説。
また、20世紀以降を全てまとめて現代音楽とするという考えもあります。

近代音楽の時代背景

印象派終息は、1914の第一次世界大戦の始まりがきっかけとなっています。
そこから近代となるわけです。
第一次世界大戦は、1918年11月11日まで、
そして、第二時世界大戦が、1939年から1945年までなので、
近代音楽は、
まさに、戦争のさなかに、あったクラシック音楽です。

有力な演奏家が徴兵され、ある者は落命し、ある者は障害者として戻ってきたため、
以前のような演奏者数が確保できなかった。
ラヴェルは、戦争でなくなった人のために「クープランの墓」という曲や
戦争で右腕を亡くした友のために左手だけで弾ける「左手のためのピアノ協奏曲」を書いています。

この時代の音楽は、戦争という空気の中、以前の風潮や時代の趣味への嫌悪感や、
物質的な理由も手伝って、現実味のある作風になってきました。

近代音楽の音楽家

多様な国へ広がり
この時代の音楽家は、ラヴェルの後期(1875-1937)
ストラヴィンスキー(1882-1971)イベール(1890-1962)
ヒンデミット(1895-1963)シェーンベルク(1874-1951)
グラズノフ(1865-1936)やラフマニノフ(1873-1943)
プロコフィエフ(1891-1953)、ハチャトゥリャン(1903-78)
カバレフスキー(1904-87)、ショスタコーヴィチ(1906-75)は現代にも続きます。

近代になるとクラシック音楽をする人は、ヨーロッパだけにとどまらず、
アメリカ、フィンランド、日本もそこそこ参加。
世界中どこでもという感じに広がり、幅広くなったことで、絶対的な特徴がなくなりました。

近代音楽の特長

いくつかの特長を挙げてみます。
1.新古典主義
新古典的傾向は、ロマン派や印象派の時代にもありました。
ブラームスのように、貫く人もいましたが、「たまには、こういうのもいい。」と、
古典派時代の形式や作風で、一時的に作曲する人たちは、たくさんいました。
ラヴェルの「ソナチネ」、サティの風刺パロディ的「官僚的なソナチネ」
ストラヴィンスキーのバレエ音楽「プルチネルラ」
プロコフィエフのハイドンを現代化させた「古典交響曲」など
フランス六人組という人たちもいます。

2.十二音技法
十二音技法は、12音律におけるオクターヴ内の12の音を均等に使用することにより、
調の束縛を離れようとする作曲技法であす。
1921年、アルノルト・シェーンベルクが「五つのピアノ曲」Op.23でに完全に体系化したとされます。
ドデカフォニー(dodecaphony)ともいいます。

わかりやすく言うと、1オクターブ(ドからシ)には、黒鍵も合わせて12音ありますが、
これらすべての音を、曲中で、なるべく均等に使う作曲方法です。
例えば、普通、調性のある音楽の場合、ハ長調の曲では「ドレミファソラシ」の音階からなっているで、
黒鍵はあまり使いません。偏りがあります。
これをなくし、どの音も平等に、同じ回数、すべてを平等に使おうとするアプローチです。
ドも、ド♯も、同じ回数使う。
という考え方です。
これにより、調性が感じられない音楽になります。

3.民族音楽
クラシックに民族音楽を取り入れる
これは、ロマン派の後期から始まった動きですが、
地方の民謡は、楽譜がなく口伝えで残っているものが、たくさん有ります。
これらを楽譜にしたり、楽曲に取り入れて、新しい曲にしていく動きは続きました。
特に、バルトーク(1881-1945)の試みは、有名です。

現代音楽

現代音楽は、終戦後1945年から今日のクラシック音楽です。
しかし、どこからが現代音楽になるのか、線引きが難しく、近代から現代とみなす説や
印象派がら現代とみなす説など、まちまちです。

現代音楽のイメージ
イメージ的に、現代音楽は、調性をはじめとする従来の音楽様式を否定・更新した先鋭的な音楽を指すことが多いです。
無調への傾倒と不協和音の多用。
このイメージが強く、これが「現代の音楽」とされる傾向が強くあります。
ピアノの弦をたたいてみたり、拍子感がなかったり、
美しくない音のつらなり、一般の人に理解できないようなものが、
現代音楽だと思われてしまいますが、それは偏った理解といえます。

他分野の音楽との融合
近代のクラシックの特長として、他分野の音楽との融合です。
ガーシュインや、バーンスタインなど、ジャズと融合した曲を残しています。
ガーシュイン「ラプソディーインブルー」バースタイン「タイムズスクエア」などです。

クラシック音楽の方向性
クラシック音楽という音楽分野は、「クラシック」というスタイルでは、
すでにで出来上がり、進展は難しいでしょう。
今は、過去の名曲をいかに解釈して、新しい感覚で演奏するか。
という方向性の方が、主流です。
「新しい曲を作って、披露する」という方向は、余程の大物が現れない限り、
難しくなっていくのではと思われます。

どの時代でもそうでしたが、芸術は、世の中の動きに左右されて
発展したり、衰弱したりします。
思想も、大きく関係します。
私たちは、これからの世の中の動きが、
プラスに働くように、祈るしかありません。

発表会で取り上げている音楽の解説

近現代の音楽

組曲「道化師」Op.26 2.道化師のギャロップ カバレフスキー

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